多分、だれも聞き取れない言葉だから 唇をたわませ、微笑みのかたちにします 口が寝ている隙に、どさくさと自惚れる 往生際悪く、もうしばらくここにいていいですか 多分、少しも同意されない言葉だから なめらかなテンポで、空模様を予測します 身体を穴にして、背中合わせで立つ…
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two sundials|ふたつの日時計(Video)Watch now (2 min) |
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一粒の海(Audio/Text)呼ばれた気がして振り向けば 小さな子のめちゃくちゃな笛の音に パラパラめくれる文庫本と 御守りがわりの腕時計が 止まったまま2度引っ越して 書きかけの葉書を投函したら 「おはよう」明け方の電話で 沈黙が切り開いた空へ プラカードを握りしめ横たわれば 一粒の蒸発する汗 にわか雨に濡れる肩に…
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4月のマーチ(Audio)Listen now |  The March in April on audio.
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冷たすぎるペットボトル 窓辺に置いてベッドに飛び込む 外の歓声が入射して 天井はぼんやりとした光の水たまり 眼鏡も靴も靴下も放り投げれば 柔らかすぎる枕は火照った頬を 思う存分沈めさせてくれる 遠のいていく重低音 川石を飛び渡る骨ばった濡れた背中に 必死にしがみつく…
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すぐほどける君の靴ひも結ぶ背中に不時着したさくらは あと10分あるね 次のバス停まで歩くぼくらは かけ違えたボタンのせい? 帆のようにふくらむストライプのシャツは 斜めの夕空がずり落ちて 突風に散らばる仲間たちは すぐに溶けていく いつかの明け方の電話のくぐもった声は 追い越していくバス…
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チャイナタウンのスーパーマーケットの地下 半分埋まったミラーボールが鎮座する ここはトリプルハピネス 閉店時間が開店時間 $10 for Admission, free snacks スーパーマーケットのダブルハピネスの地下 あやふやなビニールカーテンが乱反射する ここはトリプルハピネス…
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土間の米や灯油に安心したら すっかり降参して 白い世界に閉じ込められる インクは斜めに並ぶ背中のほくろ 明朝のまぶしさに瞬きしても ポストもしばらくは埋もれたまま 手探りの指先が言葉を散らばし あぶり出された傷が背中を焦がす どこかで 音もなく落ちる屋根雪 テーブルの端に積もる紙片たちも…
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カタカナの方が読みやすいよね? 家族のような3人が絵馬に書く 遠くに暮らす友人の名前と 1つの願い事 煤けたミカンが転がり はらはらと崩れ去って 窮屈なスワンボートはジグザグ泳ぎ 空を縫い合わせる Hola, no te preocupes! こんなに近くで祈ってる かみ砕いたフルーツ飴の甘酸っぱさが…
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後部座席の子が驚いたように宙を見上げ つられて仰ぐからっぽの空に、点滅する雪 かさついた指先の こわばった首筋の 明日に閉じたままのまぶたの 誰にも気づかれない、小さな蒸発 慌てて手袋を外しても間に合わなくて 代わりに送る、寝癖とくもったメガネのあけましておめでとう 真っ青な空を背負う君の凍えた頬に…
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